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技術コラム

長尺シャフト加工におけるよくあるトラブルと対策

長尺シャフトの加工工程と主な加工方法

工作機械や産業機械、輸送機器向けの長尺シャフト(英語:Long Shaft)は、一般的に

  1. 荒加工:センター穴加工(センタリング加工)、旋盤加工(旋削)
  2. 熱処理:浸炭、調質処理
  3. 2次加工(仕上げ加工):旋盤加工、穴加工、研削等、精密機械加工
  4. 熱処理:焼入れ、焼戻し、焼鈍し、焼きならし
  5. 表面処理:研磨、めっき、塗装

といった工程で加工を行います。

形状・用途によっては、フライス加工(ミーリング加工)、キー溝加工、歯切り、ねじ切り、転造、ローレット加工などを施すケースもあります。

長尺シャフトの加工工程のうち精密な加工を行う2次加工では、

  1. 旋盤加工(旋削):主に外形を加工
  2. BTA加工:比較的大径の長尺穴加工
  3. ガンドリル加工:比較的小径の長尺穴加工
  4. 研削加工:研削盤を使用して、切削加工よりもさらに高い精度を出すことができる機械加工

という4種類の加工方法がよく使われます。

 

長尺シャフト加工におけるよくあるトラブルと対策

長尺シャフト加工では、以下のようなトラブルをよくお伺いします。

  • 振れやしなり、たわみ、歪み、反り、曲がり等により、加工精度が悪化する
  • 同軸度や円筒度、振れ公差、内径寸法、面粗さなどの精度を出すことが難しい
  • 既存のサプライヤーが熱処理設備を持っておらず熱処理専門業者に依頼しているので、横持ち費用がかかってしまう

加工ワークが長ければ長いほど、加工の難易度がアップし、工具のビビリやワークのたわみによる精度不良が起こります。これを防ぐためには、ワーク把持方法の工夫や、長物の加工に対応した長尺NC旋盤、BTA加工機、ガンドリルマシンによる加工が必要となります。

また、長尺シャフトの加工先を選定する際は、可能な限り機械加工~熱処理まで対応できるところに依頼することをオススメします。「荒加工しかできない」「熱処理専門です」「研削・研磨だけやっています」といった企業に個々に加工を依頼すると、管理工数が膨大となり、コスト・リードタイムの面でもよくありません。

 

「BTA・ガンドリル加工.com」の長尺シャフト加工

「BTA・ガンドリル加工.com」は、

  • 加工能力Φ1,200×15,000の超大型NC旋盤、加工能力Φ490×5,000の大型NC旋盤
  • 加工能力600✕13,000、Φ33~265のBTA加工機
  • 加工能力1,290✕2,200、Φ4~32、L1,500のガンドリルマシン

といった、自社開発機を含むNC長尺旋盤・BTA加工機・ガンドリル加工機を複数台保有しております。

「BTA・ガンドリル加工.com」を運営する深江特殊鋼株式会社は特殊鋼の鋼材商社ですので、ステンレス鋼や工具鋼、チタン系・アルミニウム系金属のような特殊鋼の調達から熱処理、配送まで一括対応可能です。また、長尺シャフト加工はもちろんのこと、鋼材商社としてのネットワークを駆使することにより、フライス加工や研削・研磨といった機械加工から熱処理、表面処理にも対応可能です。

 

長尺シャフト加工の事例・実績

①搬送装置向けシャフト

こちらは、搬送装置に使用されるシャフトです。 材質はS45C、外形Φ55、長さL830の素材にΦ20のガンドリル貫通加工を行いました。S45Cは「機械構造用炭素鋼」に分類される材質で、被削性や溶接性が良いとされています。熱処理により強度を上げることも可能で、幅広い用途で使用可能です。 今回は高周波焼入れはお客様側で実施されましたが、「BTA・ガンドリル加工.com」でも各種熱処理の対応可能です。

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②油圧機器の4つ穴シャフト

こちらは、油圧機器に使用されるシャフト部品です。材質はS45C、外形φ45mm、長さ380mmのものにφ7のPCD貫通穴をガンドリルマシンで加工しました。

「BTA・ガンドリル.com」では、テーブルタイプのガンドリルマシンも保有しております。そのため素材の任意の位置に加工可能です。

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③専用機械の主軸

 

こちらは専用機械の主軸部品です。材質がSCM440、外径Φ140、材料長さL413の素材に穴径Φ45の穴を貫通加工しました。

SCM440は構造用合金鋼に分類され、クロムモリブデン鋼の一種です。通称「クロモリ」などと呼ばれています。 炭素量は、0.38~0.43%となっており、焼入れ焼戻しを行い使用されることが多い材質です。 同程度の炭素量であるS45Cと比較して、モリブデン等の合金が添加されているため加工する際は少し粘りがありますが、安定して加工可能な材質です。

外形仕上げ加工はお客様にて実施されるとのことで、「BTA・ガンドリル加工.com」では、穴加工と旋盤での外形荒加工後、熱処理を行い納入いたしました。 荒加工、熱処理まで当社で対応したことにより、お客様は仕上げ加工に充分な工数を割くことができます。

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④大型工作機械の主軸

こちらは、大型工作機械に使用される主軸部品です。材質はSCM440、外径Φ230、長さL2000mmの素材に外形荒加工後、調質を行い、Φ75の穴を貫通加工しました。

SCM440(クロモリ鋼)はクロム鋼にモリブデンを添加した合金鋼で、含有炭素量が0.40%前後となっております。通常は焼入れ焼き戻しを行い使用することが多い材質で、熱処理により硬度と強靭性を持たせることができます。

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⑤研削盤の主軸

 

こちらは、研削盤の主軸です。材質はSCM420、外径φ300、長さL670mmの素材を、NC旋盤にて荒加工後、調質処理を実施し、その後Φ65の穴加工をBTA加工機にて貫通加工しました。

SCM420は業界では「クロモリ鋼」などと呼ばれる機械構造用合金鋼の一つで、炭素含有量が0.20%前後のものです。肌焼鋼などと言われ、浸炭焼入れを行い、表面のみ硬化させ、内部は靭性を持たせて使用することが多くなっております。

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長尺シャフト加工に関するよくある質問

Q.片側貫通は可能ですか?

A.基本的には両側貫通にて加工しておりますが孔径と長さによっては、片側貫通可能でございます。 詳細はお問い合わせにてご確認ください。

Q.どこまでの長さが加工可能ですか?

A.自動見積では2000mmまでですが、それ以上もケースによっては加工可能です。 詳しくは、お問い合わせください。

Q.孔径、孔の曲がりの公差はいくつ程度ですか?

A.孔径:±0.2~0.3程度 孔の曲がり:1mにつき1mm程度 ですが、小径の場合は曲がりが大きくなる場合があるため、別途お問い合わせにてご確認ください。

Q.加工面の面粗度はいくつ程度ですか?

A.標準では、Ra=25にて対応しております。

 

長尺シャフト加工は「BTA・ガンドリル.com」にお任せ下さい!

今回は長尺シャフト加工について解説しました。

長尺シャフト加工についてお困りごとがございましたら、「BTA・ガンドリル.com」にご相談ください!

 

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