技術コラム
ロボット導入によるガンドリル加工の自動化について
ロボットによる自動化の重要性
工場の自動化が進む背景
近年、製造業の工場において、ロボットなどによる自動化の進展が見られます。従来では作業員が行ってきた運搬作業や疲労の激しい単純作業を、今ではロボットが代行しています。さらに、人間には感知できないレベルの異常をセンサーによって感知し、またデータを解析して物流を管理するなど、ものづくりの現場は日々変化しています。では、なぜ工場の自動化が進んでいるのでしょうか。主な要因として、深刻な人材不足や、テクノロジーの急速な進展があります。
少子高齢化で働き手が少ない中、製造業は昔ながらの危険で肉体労働ばかりといったマイナスイメージが根強く、人材の確保が厳しい状況にあります。そのため慢性的な人材不足になり、技術の後継者を育成することが難しくなっています。そこで、人材に頼らない経営の取り組みの一環として、AIやロボットの導入が進められています。近年では、デジタル技術の発展が大きく発展したことで、幅広い分野でデジタル技術の活用が進められており、中小企業や個人での利用が可能となりつつあります。これらの背景から、工場のAI・ロボット導入による自動化が進んでいます。
工場の自動化の今後の見通し
産業用ロボット市場、スマートファクトリー市場が増加傾向にあることから、今後工場の自動化はますます加速していくと考えられます。また単なる人の作業を代替としての自動化だけでなく、AIによるデータ管理などでの利用がより広がりつつあります。日本ロボット協会は、2021年の受注予想が過去最高を更新することを発表した事から、今後も産業ロボットの導入が進められるでしょう。
当社の自動化への取り組みと効果
当社では、ロボット導入による工場の自動化に注力しております。自動化に取り組む以前の作業現場では、工場の稼働は日中のみで、夜間に稼働させる場合は、社員が夜間勤務をする必要があったため、生産性の改善や社員の負担が課題でした。そこで当社は独自の自動ガンドリル穴あけ加工ラインの開発を行いました。複数のガンドリル加工機の中心にアーム型ロボットを設置することで、無人での高精度ガンドリル加工を可能にしています。加工ラインにロボットを導入することにより、以下のような効果が得られました。
・社員の労働環境の改善・・・夜間は工場を無人で稼働させることにより社員の負担が減少
・人為的ミスの削減・・・人による作業の工程を減らすことで人為的なミスが減少
・人件費の削減・・・ロボットによる作業で人件費が減少
・生産性の改善・・・夜間も工場を稼働させることにより、生産性が向上
また、工場には約600種類の鋼材ありますが、サイズ選びから、切断、仕分けまでを全自動で行っております。この取り組みにより、当社の「FAセンター」では、工場の24時間稼働を実現いたしました。日中は作業員が機械の保守と搬出などに携わりますが、最終的には工場の完全自動化を目指しております。
当社が保有する設備のご紹介
BTA・ガンドリル加工.comでは、ガンドリル専用の機械を3台保有しています。GS-1400自動ガンドリル穴あけ加工ラインの開発により、工場の無人化、及び24時間稼働が可能になりました。
自動ガンドリル穴あけ加工ライン
メーカー:自社開発
名称:GS-1400
サイズ :φ100*1000
ガンドリル穴あけマシン
メーカー:ミロク機械
名称:MHG-1200-1500NC
サイズ :1290*2200
ガンドリル穴あけマシン
メーカー:自社開発
名称:MS-2934
サイズ :φ200*1000
当社のガンドリル加工事例をご紹介
当社のガンドリル加工機で製作した製品事例がこちらです。
旋盤のスピンドル
こちらは旋盤のスピンドルにガンドリル加工を行った事例です。外形φ95、長さ554mmの素材に、φ27深さ413mmで制作しております。材質はSCM415です。
SCM415は「クロモリ」と呼ばれる材料で、炭素含有量が低く、硬度の範囲や引張強さについても低い材料です。そのため加工性の高い素材です。生材のまま使用することはほとんどなく、浸炭焼入を行い表面のみ硬化させ、内部は靱性を高めています。それにより素材に適度なしなりを与え、振動の吸収等を可能にしています。
研削盤 アクスル
こちらは工作機械の業界向けに製作した研削盤用アクスル(軸)です。 材質がSUS440C、外径80、穴径φ4、材料長さ400の素材に加工長さ400で製作しています。 φ4という小径の深穴加工にお困りだったため、今回はBTA・ガンドリル加工.COMにて穴加工のみ実施、その後の加工等はお客様にて行われました。
SUS440Cはマルテンサイト系のステンレス鋼です。焼入焼戻しを行うことで高強度、高硬度が得られるため、強度や硬度が必要な機械の部品等に使用されることが多い材質です。 高炭素、高クロム鋼であり、耐摩耗性は高いですが、一次炭化物が多く含まれるため被削性は悪いです。 BTA・ガンドリル加工.COMでは長年積み重ねてきたノウハウにより、このような被削性の悪い材質への加工も対応可能です。
ステンレス鋼への深穴加工でお困りの方は是非一度お問い合わせください。
ガンドリル加工のことならBTA・ガンドリル加工.comにお任せ下さい!
今回は、産業機械の特徴とガンドリル加工事例ついてご紹介しました。BTA・ガンドリル加工.comは、「特急」、「単品」に強い、BTA・ガンドリル加工の加工受託サイトです。材料調達から加工まで一貫対応します。ガンドリル加工でお困りのことがあれば、BTA・ガンドリル加工.comまでお問い合わせください!最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
お問い合わせはこちら